はじめましての方も、そうでない方も時刻は4時29分です!!
先日のまさに台風直撃の日でした。。
編集部・M橋と雨の切れ目を縫って、傘も持たずに徒歩15分の定食屋で昼飯。
いい塩梅で腹も膨れて、さて会社に帰ろうか...というときにM橋より「月餅を買いたい」との申し出!!
これに答えなければ男が廃る!! と、M橋と月餅探しの旅へ。
1軒目のスーパーに立ち寄り、いざ月餅コーナーへ!!
残念(当然)ながら、そんなコーナーは存在せず、パン売り場に併設された和菓子コーナーを舐めるようにディグるもその姿は見当たらず。
「月餅はどこですか?」
と店員に詰め寄るM橋の粘りも空しく、1軒目は空振りという形で収束。
がっくりと肩を落とすM橋に「明日(次のスーパー)があるさ」と励ましの言葉を掛けつつ強風の中をゆきゆきて進軍。いざ2軒目のスーパーへ!!
ここではあえて別行動。
二手に別れ、より早く、より正確に月餅を探す作戦に出た。
「ゴッドブレスユー」とお互いに声には出さずとも目と目で通じ合った。
確かに色っぽかった。
だが、結果としてその作戦は裏目に出た。
是が非でも月餅を手に入れたいM橋と、そうでもない水野の間には深くて長い河があった。
1軒目の反省を活かしパン売り場へと移動するM橋を横目に、水野は豆腐コーナーへまっしぐら。
ひとしきり豆腐を愛でた水野がM橋の姿を探し当てた頃には、すでにM橋の手には月餅が握られていた。
駆け寄る水野。だが、M橋の堅い表情を見た瞬間、漠然とした不安が彼(水野)を襲った。
「あったじゃないですか」これが彼(水野)の精一杯の言葉だった。
違う、いまM橋が望んでいるのはこんな言葉ではない、と頭では解っていながら...
そんな水野の気持ちを知ってか知らずか、M橋は静かに呟いた。
「これは月餅じゃない」
ハッとする水野。M橋の手に握られている月餅らしき物に視線を移す。
それは水野から見てどこに出しても恥ずかしくない見事な月餅だった。
だが業界の先輩であり、尊敬する上司であり、人生の師匠であるM橋が、
「これは月餅じゃない」
と言うからには、それはもう月餅たりえないのだ。
口惜し気にその月餅風の物を棚に戻すM橋。こんな時に気の利いた言葉一つ出せない自分(水野)が恨めしい。
タイムアップだ。
もう、次のス-パーに移動する気力も時間もない。
月餅を手に入れられなかった我々は、残りの今日という一日を惨めな気持ちで過ごすだろう。そう、我々は負けたのだ。
と、水野が勝手に諦めている間に、M橋の腕が電光石火の如く動いた!!
高々と掲げたM橋の手の先にはあんみつが握られていた。
「別にこれでもいいんだよ」
と、噫もなく言い放つM橋。
1軒目のスーパーにもありましたよ、それ。
あんみつを手に恍惚の表情を浮かべるM橋を見て、この人が俺の上司で本当に良かった、と心から思った。
そそくさと会計を済ませ、晴れやかな気持ちで店を出た我々を待受けていたのは、目を背けたくなるような暴風雨だった。
笑うしかない。
道行く人々の傘がぶっ壊れてゆくのを目の当たりにしたM橋と水野に残された選択肢は、濡れて歩く事以外になかった。
立ち止まっている時間はない。
なぜなら今は校了だから…
■見習い編集長とオレ(水野)物語 校了編/完 次回に続けてください
(M野)