仕事帰りに立ち寄りたい、心も温まる街の居酒屋を勤め人の「寄り道」さんが楽しくご紹介!

名店中の名店居酒屋
絶品料理を堪能して大満足!
自由が丘駅に到着。電車を降りて、ロータリー側出口に向かう。もうすぐ9時かぁ…あと1時間だな、などと考えながら、改札を出る。自由が丘「金田」は閉店時間が10時、ラストオーダーは9時30分という潔い店なのだ。

スターバックスの横を通り、「金田」の前に着く。看板の優しい光と、渋い紺の暖簾が出迎えてくれる。まず、外の戸を開けて入り、さらに中のガラス戸越しに店内を見ると、例によってほぼ満員。よく見ると、奥のコの字型カウンターの上の席あたりに空席が1つある。店の中に入ると、
「いらっしゃいませ。お1人ですか。」
と声がかかる。
「あそこの席、いいですか。」
と尋ねると、
「いいですよ。」
という返事。
席に着くと、すぐにマスターがお通しの「冷や奴」と割り箸を届けてくれる。
「瓶ビールをお願いします。」
「はい、わかりました。」
…2階への階段に通じるこのカウンターの並びは昔からの常連さんが多い。右隣の紳士は60代後半と思われるが、口元に杯を運ぶ仕草が様になっている。さすが。

カウンターにの上に置かれた、本日のメニューの紙を眺めながら、今日は何を食べようかと迷う。刺身もいいし、天ぷらにも惹かれる。絶品の胡麻豆腐もいいし、先代から守り続けている伝統の味の焼き鳥も食べたい。ビールが届く。グラスに注いで、一口・・・ふぅ、美味しい。
「すみません。薩摩揚げ(530円)といわしつみれ汁をお願いします。」
ビールを飲みながら、しばらくは店の活気の中に身を浸す。1階は基本的に1人客か2人客なので、話し声も騒がしくなるということはない。かといって静かなわけでもなく、適度なざわめきがいい雰囲気を作っている。ほっとするなあ。

「いわしつみれ汁」が届く。黒塗りのお椀の蓋を開ける。ふわっと湯気が立ちのぼる。これこれ、まずは澄んだ汁から一口・・・ついっと・・・う~ん、この塩加減・・・上品なおすましだなあ・・・美味しい! では、つみれを・・・手作り特有の仕上がり・・・噛みしめると、いわしの香りが口の中に広がる。ああ、いいなあ。ビール、ビール。

続いて「薩摩揚げ」が届く。自家製なので揚げたて。まるく柔らかそうな出来上がりだ。おろし生姜が添えられている。さて、醤油をつけて一口・・・すごい弾力。すり身が滑らかだなあ・・・中に牛蒡と人参が入っている・・・油の甘みがすり身の甘さをいっそう引き立てている。美味しい! ビール、ビール。う~んと・・・これは酒だな。
「すみません。お酒を。」
「燗でよろしいですか。」
「はい。」
よろしいですとも。

お酒が届く。では一口・・・ふ~む、身体の中がゆっくり暖まっていく感じ。いいなあ。お客さんが入ってくるたびに、
「10時閉店、9時半ラストオーダーです。よろしいですか。」
と声が掛けられる。腕時計を見てお客さんたちは店を出て行く。こちらは、もう少しゆっくり飲ませてもらおう。
燗酒をお替わり。最後に春らしいつまみを…
「すみません。ふき味噌(400円)をお願いします。」
ラストオーダーだ。2階のグループ客も降りてきて、勘定を済ませ始める。でも、不思議と慌ただしくならないのは、店の方々がゆったりと応対しているからだろう。

「ふき味噌」が届く。一口・・・う~ん、この仄かな苦みがいいなあ。お酒がいくらでも飲めそうだ。燗酒、燗酒。
自由が丘「金田」
東京都目黒区自由が丘1-11-4 03-3717-7352